第3回 マンションの1階が店舗だった場合の注意

今回は、最近、1階がオープンカフェになっているお洒落なマンションを見かけたので、このような形態のマンションについてお話したいと思います。
よく、1階部分にカフェやコンビニエンスストアが入居しているマンションを見かけることはありませんか?このようなマンションを購入しようとする場合には、通常の場合と異なる配慮が必要です。マンション1階部分にコンビニエンスストアがあれば確かに便利ですし、お洒落なカフェが入っていれば、マンション自体もお洒落な雰囲気になるでしょう。

しかし、最近は特に景気の影響なのか、店舗の入れ替わりが激しいので、今入居している、または、新築マンションの場合にはこれから入居予定の店舗が、このままずっと営業し続けるとは限りません。お洒落なカフェが閉店してしまった後に、同じようなお洒落な店舗が入居すればいいのですが、なかなか入居者が見つからない等の理由で、同じような店舗の出店希望者がなく、突然、居酒屋が開店!なんていうことも十分に考えられます。そうすると、マンションの雰囲気自体もガラリと変わってしまうでしょうし、場合によっては、料理の匂いや煙が上階にまで漂ってくる、なんていくこともあるかもしれません。夜、居酒屋の前に酔っぱらった団体が二次会の場所が決まるまでたむろしてうるさい、ということもあるかもしれません。

幸いこのようなことがなかったとしても、1階部分に予定されていた入居者が入らなければ、管理費を圧迫する可能性は高く、ついには管理費値上げ・・・なんていうことも。
たくさんの人が居住するマンションには、様々な規約がありますので、その規約等の中で、1階部分に入居可能な業種等が制限されているのかどうか、事前に十分に確認してからマンションを購入することが大切です。規約で入居する店舗の種類等に制限を設けていない場合には、後日、テナントが大きく変更になる可能性が否定できませんので、その点を覚悟して購入することが必要です。

林 眞紀世

プロフィール
林 眞紀世 / 弁護士

札幌弁護士会に所属する弁護士。民間航空会社勤務を経て、平成15年から弁護士に登録。平成18年10月からはパークフロント法律事務所を開業。当時は、北海道初の女性弁護士2人の共同法律事務所だったことが話題に。一般の方から企業まで、幅広く一般民事、企業経営に関する事件、親族間の事件などに取り組んでいる。

イントロダクション
法律は難しいとか、法律事務所は敷居が高いなどとよく言われますが、「難しいこともできるだけわかり易く」をモットーに日々取り組んでいます。このコラムでは、住宅や不動産などにまつわる法律問題にわかりやすく触れていきたいと思います。