第9回 「記憶色」のワナ

20130321_01「記憶色」のワナ

「こんな色だったはず」「このくらいの明るさだったはず」という、脳が記憶している色の記憶は実は曖昧なことが多いもの。今回はそんな「記憶色」のお話しをしてみたいと思います。

「桜の色」はピンク?

卒業・入学のシーズンに桜はつきものですね。
私が育ったのは函館市で、ゴールデンウィークがちょうど桜の見ごろな地域でしたので、桜といえば「GW、五稜郭公園、ジンギスカン」でした。
さて、そんな桜ですが、「桜色」と一般的に呼ばれているのはちょうど桜餅のようなピンクです。もし桜の塗り絵があったとして色を塗ると、大抵の方はピンクを塗られるのではないかと思います。
ところが。
実際のソメイヨシノの花や花弁を見てみると、「桜色」よりはずいぶんと白に近い淡さのピンクです。
「桜の色」と言われてイメージする色と、実際の「桜の色」を比べてみると、「記憶色」というものを体感することが出来ます。

お肌の「記憶色」

「こんな色だったはず」という記憶はなかなかあてになりません。
桜の色が、実際よりピンクの色を鮮やかにイメージしてしまうように、女性は自分の肌の色を「実際より明るく」イメージしてしまう傾向があると言われています。
「だいたいこんな色」と自分の肌の色の明るさを申告してもらった場合、大多数の方は実際より明るい色を選んでしまうそうです。
似顔絵を描く絵描きさんは「子供や女性の目は実際より大きく」「女性の肌は実際より明るく」するそうですが、「そう!私ってこういう肌色!」と御本人が納得する為には多少の加工が要るのかもしれません。
「写真うつりが悪い」というお悩みの一端も、そんなところにある場合も無きにしも非ず、かもしれませんね。

家づくりの色選び

家づくりの際に、「色を選ぶ」というケースはとても多いと思います。
壁紙の色、カーテンの色、ソファーやクッション等、大きいものから小さいものまでアイテムは様々です。ベッドカバーやタオルなども含めると、大変な数になります。
他人に色を伝える際は写真や見本などで客観的な指標を使う方が間違いを防げます。「こんな色」という記憶はなかなか曖昧なものです。
「記憶色」という言葉を頭の隅においておくことで、「自分の記憶を疑う」余地が生まれるのではないでしょうか?賢い色選びの御参考になればと思います。
(ファンデーションも是非肌で確かめてからお選び下さい!) 

アズマ レイコ

プロフィール
アズマ レイコ / カラーコーディネーター

2003年に函館でカラーサロンをオープン。パーソナルカラー・パーソナルスタイル診断の他、色彩心理のセミナー、講座を開講。結婚後の転勤で、2007年から札幌での活動を始める。『HappyColorLife』主催。AFT1級カラーコーディネーター。2児の母。

イントロダクション
色彩の知識を、楽しく!わかりやすく!使える形で!お伝えすることをモットーにカラーコーディネーターとして活動しています。色彩は生活に密着した、生活を彩る要素です。このコラムでは、生活に役立つ色彩のマメ知識をお届けできればと思っています。楽しく賢く色彩のパワーを利用してみましょう!

バックナンバーはこちら