第4回 食卓とキッチン

お正月は主婦の休息期間

昔は日常の食生活を『ケ』とよび、冠婚葬祭などの特別な節目の日の食事は、『ハレ』の食事として区別されていました。新年あけて1年の出発の日は、ハレの日としておせち料理が食べられます。
そもそも、おせち料理の始まりは「新年、台所にお迎えした神様を騒がせてはいけない」という意味で、神様に捧げた供物に「子孫繁栄」や「長寿」、「豊作」などのさまざまな願いをこめて作り、おめでたい事が重なるように「重箱」につめることが習慣になったとされる説が有力だそうです。
なので、年末におせちを重箱につめて作っておき、三が日はおせちを食べ主婦は3度の食事つくりから解放されお正月の間は主婦も台所にたたなくてすむという、主婦の休息の期間でもあった訳です。

食卓の構成

普段は生活に追われて、家族それぞれが忙しく、同じ時間に食卓を囲む事が難しくても年末年始やお盆休みなど、まとまったお休みには家族や親戚、きょうだいが顔を合わせ、食卓を囲んでコミュニケーションをとる、そんな時間が楽しみでもありますね。
「食卓」を構成するのは

  1. キッチンで作られた料理
  2. 食卓を囲む人
  3. 食事空間の環境や時間や場所など

の物理的条件の3つの要素です。
そしてこの3つは相互に関係しあい、家族関係に安心を与え、子どもの成長を助けるための場所です。そしてこの食卓を支えるのがキッチンです。そのために快適に使えるキッチン、家族が楽しく調理や後片付けができるそんな、キッチン空間が必要です。自分のライフスタイルを考えて、自分に必要なこと、これからしたいことをしっかり把握することから、快適キッチンは生まれます。

さて、今年もおせち料理が並ぶ食卓を囲んで、家族の笑顔が花咲いて、明るく新しい1年をスタートしましよう。

阿部 美子

プロフィール
阿部 美子 / キッチンスペシャリスト

専業主婦を経て二人の子どもを一人で育てながら 水廻りメーカーのアドバイザーとして約10年、従事。「キッチン」の奥深さと魅力に惹かれ、キッチンスペシャリスト資格、(社) 日本ライフスタイル協会北海道唯一のリビングスタイリスト講師、CS(顧客満足クレーム対応)スペシャリスト 日本実務能力開発協会認定コーチの資格取得。(社) 日本デザイン学会 鈴木 昇氏に師事。「Happyキッチン講座」「リビングスタイリスト講座」「キッチンお悩み相談室」を随時開催。「お悩み解決!ココロもスッキリ!快適なキッチンから始まる楽しい暮らし、家族の笑顔を応援します」をコンセプトに始業。ララプラスキッチン代表。

イントロダクション
毎日つかうキッチン空間だからこそ気持ちよく心地よい空間でありたい。おかあさんのニコニコした顔から家族の安心が生まれます。おかあさんがいつもルンルン♪お料理をつくってルンルン♪おかたづけができる、そんな暮らしのヒントを女性のミカタ(味方&見方)で お伝えします。→Blog「キッチンアドバイザーのミセスのミカタ」