第8回 「ママ」の色

20130121_001「ママ」の色

小さな子どもの書く絵では、男性は黒や青、女性は赤やピンクで表現されることが多いです。「ママ」がエプロンをしている絵ですと、大抵綺麗な色で描かれるものです。今回はそんな「ママ」の色のお話しをしてみたいと思います。

暖色は「女」色?

子どもの絵にでてくるママは、大抵、赤やピンク、オレンジといった暖色の服を着ているものです。
実際、ママさんがいつも赤やピンクを着ているかというと、20代、30代の女性はそれほど積極的に暖色ばかり着ているわけではありません。モノトーン、ベージュ系、特に北海道民は黒を好む傾向が強いと言われています。
では、何故子どもは「ママ」に赤いものを着せるのか?
ということを考えてみますと、単純に「女性の色」として暖色を記憶しているから、という理由が一つとして考えられます。
服として身につけてはいなくても、小物やタオル、化粧品、歯ブラシの色、それから一般的な感覚として、イラストや絵本、トイレのマークなどでも「女性」は赤っぽい色で表わすもの、ということは記憶されているはずです。

赤いエプロン

私は、現在未就学児二人の母親ですが、子育てデビューをした頃にふと、自分のエプロンなりルームウェアなりにほとんど暖色が無いことに気付きました。
「子どもは、ママを『赤いエプロン』で描いているのに、私は赤いエプロンを持っていない」ことが、何だか寂しいような気分になって赤いエプロンを買いました。
エプロンが赤いからといって、何が変わるということはありませんが、子どもが求めている「ママ」のイメージが「赤」ならば、家の中で一番関わりの多い「ママ」が赤を積極的に使うことに何か意味があるのではないだろうか、と思ったのです。
「理想的な子育て」をしているわけではありませんが、エプロンくらいは「理想のママ」でもよいのでは?と思い、今も赤いエプロンを使っています。

コミュニケーションとしての「ママ色」

子どもが、「ママ色」を暖色で表わす理由として、一つには単純な「女性であることを表現する為」ということが言えると思います。
他にもいろいろな理由は考えられますし、子どもひとりひとり、それぞれに理由はあるかもしれません。
ただ、こうした理屈を抜きにして、触れて暖かさを感じる色、華やかな色、女性らしい色。こうした色彩を「ママ」が身につけることは、家庭内の親子コミュニケーションに意味のあることでは無いかと、思っています。
毎日黒づくめの「ママ」よりも、エプロンくらいは「ママ色」をした「ママ」の方が、会話も弾む明るい家庭のイメージが湧きやすいものです。
暮らしを明るくするエッセンスとして、エプロンや、ルームウェアやパジャマなど、家の中で子どもと過ごす時の装いに「ママ色」を取り入れてみませんか?

アズマ レイコ

プロフィール
アズマ レイコ / カラーコーディネーター

2003年に函館でカラーサロンをオープン。パーソナルカラー・パーソナルスタイル診断の他、色彩心理のセミナー、講座を開講。結婚後の転勤で、2007年から札幌での活動を始める。『HappyColorLife』主催。AFT1級カラーコーディネーター。2児の母。

イントロダクション
色彩の知識を、楽しく!わかりやすく!使える形で!お伝えすることをモットーにカラーコーディネーターとして活動しています。色彩は生活に密着した、生活を彩る要素です。このコラムでは、生活に役立つ色彩のマメ知識をお届けできればと思っています。楽しく賢く色彩のパワーを利用してみましょう!