第9回 なぜかキッチンに入りたくなる!キッチンの3S

20140108_01あけましておめでとうございます。
今年も「快適なキッチンから始まる楽しい暮らし」のご提案を、コラムと通してお伝えします。さて「日本女性会議」が、今年10月、札幌で開催されます。札幌市は女性が活躍できる環境をつくるという大きな目標のもと、女性が社会で充分に力を発揮して活躍できるまちづくりを目指しています。

女性が社会で充分な力を発揮できて仕事ができるためには、家族の意識と協力も欠かせません。毎日の家事作業、特に生活を担う食事作りや後片付けの軽減は、有職主婦のストレス軽減や時間短縮により物理的にも精神的にもゆとりをもたらし、仕事の効率化にも繋がって、プラスの循環を生みます。

今や、キッチンは女性だけのお城ではなく、家族だれもが集える空間になることが、有職主婦の強いミカタになるのです。

家族のキッチンにするために

では、家族が「キッチンで料理がしたいな」「後片付けを手伝いたいな」「コーヒーを入れたいな」そんな気持ちになる為にはどんな工夫ができるでしょうか。まず、

  1. 物の配置と収納場所が明確になっていること
    具体的には、調味料、調理ツール、ラップやホイル、キッチンペーパーの位置と場所が決まっていることです。
    油はこちら、砂糖はあちら、などと分散せずに使う場所に収まっていること、ボールやザルや菜箸やトングなども手を伸ばして届くところにあるのか、使いやすい領域にあることが理想です。バラバラにあると、自分以外の人が迷ってしまい、家事を手伝うことがおっくうになるからです。ラップやホイル、キッチンペーパーも利用するときは手が汚れていたりすることもあるので取り出しやすい場所と工夫があると作業がスムーズに運びます。
  2. プラゴミの処理
    食材の多くはプラ容器に梱包されていて、ゴミが発生します。作業の際にはこのプラゴミの処理がササっとできていくとラクに調理ができます。たとえば スーパーのゴミ袋ほどの大きさの物に都度 プラゴミを入れて1回の調理ごとに大きな袋にまとめるなどと、くせをつけると、キッチン空間にゴミが蓄積することを軽減できます。
  3. ツールや食器のもち方
    キッチンツールや食器の数量も必要最低限にしぼりましょう。必要最低限とは、毎日3食に使う食器を検証すると ほとんど同じ食器を使っていることに気がつきます。その数量に家族の人数分をかけた数量が家族の最低限必要な食器になります。またボールやザルは同じデザインの大中小の大きさで持っておけば収納もかざばらず、使う人も迷わないですみます。いろんな種類のたくさんのツールや食器は、次から次へと出して使い、洗い物も増えるのです。最低限の物であれば、必要なときには洗って使うので、最終的には後片付けがラクになるのです。

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Sunday Best

もうひとつ、家族でキッチン空間を楽しむための方法があります。どのご家庭でも、とっておきの食器があるのではないでしょうか。いくら最低限の食器といっても、お客様が見えたときに使いたい食器や飾りたいお気に入りの食器まで、もたないのはあじけがありません。潤いもなくなってしまいます。
でも、あまり使わないとなれば、ただスペースを取っているだけで、存在価値が薄れてしまい、厄介な物になってしまうかもしれません。お客様はいついらっしゃるのか、まさに「いつか」と「なんかに使える」はなかなか来ないことになってしまいます。
イギリスでは「Sunday Best」といって、毎週日曜日は家族でゆっくり食事を楽しむ大切な日とし、このときに、普段使わない、とっておきの大切な食器を使うのだそうです。
私たちも、普段使わない食器を家族との団らんに、決まった日にだけ使ってみる、そんなイベントを仕掛けてみるのも楽しみになるかもしれません。大切な食器は、大事に使ってその存在価値を高めてあげることも、心豊かな生活を送ることにつながります。

キッチンの3S

こんなふうに作業に必要なものの配置とルールを決め、お気に入りの食器を大事に使う日を家族のイベントとしてみる、こんな工夫を考えると、家族も料理の楽しみやワクワク感を持って、抵抗なくキッチンに入ることができるのではないでしょうか。まさに、

  1. 配置が分かりやすい「シンプルキッチン」
  2. 作業がスムーズな「スマートキッチン」
  3. 必要な物だけの「スリムキッチン」

の3つの「S」が 家族が入りたくなるキッチンのキーワードです。そして、それは女性が職場で能力を開花させ社会でいきいき活躍できるための大事な要素です。少しの工夫と知恵でキッチンから始まる楽しい暮らしを始めてみませんか。

阿部 美子

プロフィール
阿部 美子 / キッチンスペシャリスト

専業主婦を経て二人の子どもを一人で育てながら 水廻りメーカーのアドバイザーとして約10年、従事。「キッチン」の奥深さと魅力に惹かれ、キッチンスペシャリスト資格、(社) 日本ライフスタイル協会北海道唯一のリビングスタイリスト講師、CS(顧客満足クレーム対応)スペシャリスト 日本実務能力開発協会認定コーチの資格取得。(社) 日本デザイン学会 鈴木 昇氏に師事。「Happyキッチン講座」「リビングスタイリスト講座」「キッチンお悩み相談室」を随時開催。「お悩み解決!ココロもスッキリ!快適なキッチンから始まる楽しい暮らし、家族の笑顔を応援します」をコンセプトに始業。ララプラスキッチン代表。

イントロダクション
毎日つかうキッチン空間だからこそ気持ちよく心地よい空間でありたい。おかあさんのニコニコした顔から家族の安心が生まれます。おかあさんがいつもルンルン♪お料理をつくってルンルン♪おかたづけができる、そんな暮らしのヒントを女性のミカタ(味方&見方)で お伝えします。→Blog「キッチンアドバイザーのミセスのミカタ」