第10回 ソムリエナイフ

ワイングッズをあれこれ凝ってみるのは、おうちワインの楽しみ方の1つでもあります。今回はワインを飲む上では欠かせない、抜栓に使う、ワインオープナーのお話です。
抜栓の際、気持ちよく栓が抜けると、気分が良いですし、ワインも美味しく感じられます。
逆に折角食事の準備が整って、いざワインを開けようと思ってもすんなりいかず、2~3人掛りで、時には力ずく?!で、コルクと格闘した経験がある方も多いのではないでしょうか?

ワインオープナーには、T字型、スクリュープル型、ウイング型等いくつかの種類があります。初心者には最も簡単に抜栓できるスクリュープル型がお勧めですが、自宅でワインをよく飲む方なら、プロ仕様の「ソムリエナイフ」を使ってみるのはいかがでしょう?「なんだか使い方が難しそう」と思われる方、最初は少し難しく感じられるかもしれませんが、慣れてしまえば少しの力で、素早く、綺麗に開けるけることができます。折りたたみ式で持ち運びにも便利ですし、素材にもこだわったものが多いです。

中でも、フランス・シャトー・ライヨール社のソムリエナイフは見た目、実用性、耐久性と3拍子揃った優れもので、将に用の美といった名品です。

こちらのモデルは、ライヨール社の中では一番スタンダードなタイプです。10年使っていますが今のところ不具合は全くなく、バリバリの現役です。それどころか、使い続けるうちに手に馴染み、ますます愛着が湧いてきました。
では「ソムリエナイフ」使用時の抜栓方法をご説明します。
※ソムリエナイフは、瓶口に引っ掛けるフック部、コルクにねじ込むスクリュー、キャップシールに切り込みを入れ、剥がす為のナイフで構成されています。

① ボトル口元のくびれにナイフを当て、一周させて切り込みを入れる。

② ①の切れ目から上に、縦に切り込みを入れ、刃でキャップシールを剥ぎ取る。

③ コルク中央部にスクリューを差込み、垂直にねじ込んでいく。

④ フックを瓶口に引っ掛けて、コルクを少しずつ引き上げる。てこの原理が働き、コルク栓が上がってくる。

⑤ 最後、あと5mmくらいのところまできたら、人差し指と親指でコルクをつまんで、空気を入れながらそっと抜く。
  (「ポン」という音が出ず、丁寧さが増す)

⑥ 清潔な布巾等で、瓶口の汚れを拭き取る。

さあ、あとは美味しく飲むだけです!

何はともあれ、ボトルを開けて、ワインを楽しむ。それが一番大切ですが、そんなときに、気分を盛り上げてくれるお気に入りアイテムがあると、更に美味しく、楽しくなりますよ。

今では大切な「相棒」となったソムリエナイフ。キッチンの一番上の引き出しで、今日も出番を待っています。

~抜栓トラブルを防ぐ為のワンポイントアドバイス~
コルクは古かったり、乾燥していたりすると、とたんに開けにくくなってしまいます。乾燥によってコルクが収縮すると、瓶の中に空気が入ってワインの品質が低下する恐れもありますので、長期保存の場合は、瓶を横に寝かせてコルクを湿らせておくようにすると良いですよ。

松本 裕子

プロフィール
松本 裕子 / ソムリエ、食育インストラクター

国内大手航空会社にて国際線客室乗務員として約10年サービスにあたる。(社)ソムリエ協会認定ソムリエ資格取得。東京の田中伶子クッキングスクールで学び、全国料理学校協会教員資格、及びNPO食育インストラクター資格を取得。海外ステイやオフを利用し、各国のお料理教室(フィレンツェ、バンコク、ホーチミン)やお花、お菓子教室(パリ)に参加。2010年より札幌在住。双子の母。

イントロダクション
ワインは、相性の良い料理と組み合わせることによって、そのどちらも美味しくする相乗作用があるだけでなく、脚の長いグラスに注がれた佇まいが美しく、女性にとても似合うお酒です。小さなお子様をお持ちの方でも、気軽にワインを食卓に取り入れていただける様に「食材やワインは身近なお店で手に入るもの」とし、簡単に「おうちワイン」を楽しむ参考になればと思います。