第23回 色彩の温度感①

20151120_00第6回「暖かい色」、第20回「2種類の青」でもお伝えしてきましたが、今回は色彩の温度感についてのお話です。
これからの季節を、暖かく過ごすために、お部屋の空間全体を「暖かい色」でまとめてみませんか?
インテリアの色選びでは、青、赤、緑、と色の種類(色相)についての話題が多いですが、少しだけ、見方を変えてみましょう!

色の種類

色を表すために使われる尺度には「明度(明るさ)」「彩度(色の鮮やかさ)」「色相(色の種類)」があります。インテリアの選び方や、心理効果の話題になると「赤いソファ」「青いカーテン」というように色相の話題が多いようです。暖かい色でまとめるためにも、やはり色相は大事なのですが、同じ色相の色にも種類があります。

「暖色」と「寒色」

赤やオレンジなどを一般的に「暖色」、青や紫を「寒色」と呼びます。
実際に、暖色の多い空間では暖かさを感じますし、寒色の多い空間では寒さを感じます。
研究のデータなどでは最大3度程度の体感温度の差があるとも言われています。
だからといって、家じゅうを赤やオレンジだけでまとめるのは大変です。
そこで、色の温度感を見分ける方法を使います。
寒色と呼ばれる色の中にも、比較的寒さを感じさせない色、というのもあるのです。

「温かい」色と「冷たい色」

色は、大きく2種類に分けることができます。
これは寒色でも同じで、寒色の中でも比較的暖かさを感じることのできる色です。

第20回「2種類の青」の復習になりますが、「青」の場合は、
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①緑色よりの青 (ターコイズブルー、ティファニーブルー)
②紫よりの青 (群青色、スカイブルー)

緑ですと、
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①黄色よりの緑 (若草色、ライムグリーン)
②青よりの緑 (ミントグリーン、ビリヤードグリーン)
になります。

紫は、
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①赤よりの紫(京紫、ラズベリーパープル)
②青よりの紫(江戸紫、ロイヤルパープル)
になります。

寒色の中でも、①が比較的暖かさを感じやすい「温かい色」です。
より冷たさを感じる②の色と比べてみると、違いがわかりやすいのではないでしょうか?

まとめ

空間全体の色の温度感がそろうと、生活の上でどうしても色の数の増えてしまいがちな場面でも統一感をキープできます!次回は、色の温度感をそろえた空間の印象についてまとめてみたいと思います。

アズマ レイコ

プロフィール
アズマ レイコ / カラーコーディネーター

2003年に函館でカラーサロンをオープン。パーソナルカラー・パーソナルスタイル診断の他、色彩心理のセミナー、講座を開講。結婚後の転勤で、2007年から札幌での活動を始める。『HappyColorLife』主催。AFT1級カラーコーディネーター。2児の母。

イントロダクション
色彩の知識を、楽しく!わかりやすく!使える形で!お伝えすることをモットーにカラーコーディネーターとして活動しています。色彩は生活に密着した、生活を彩る要素です。このコラムでは、生活に役立つ色彩のマメ知識をお届けできればと思っています。楽しく賢く色彩のパワーを利用してみましょう!