第3回 グラスでワインを味わい深く

おうちワインの楽しみ方として、ワイングラスにこだわってみるのも一つのアイデアです。
そこでいきなり質問ですが、1、2、3のワイングラス、好きなものを選べるとしたらあなたならどれを使いますか?

 ワイングラス左より1、2、3

「今日はたくさん飲みたいから、1。」
「すっきりしたシェイプが気に入ったので、2にしようかな。」

なるほど、なるほど。おうちで気軽にワインをいただく場合、こうしてお好みのグラスを選んでみるのも楽しいですよね?!
でも、ちょっと考えて見ましょう。どうしてワイングラスにはいろいろなタイプがあるのだと思いますか?

実は、それらの形にはちゃんと理由があり、ワインに赤や白、重め、軽め等、様々な特徴がある様に、それぞれにふさわしいグラスがあるのです。適したグラスを選ぶことによって、香りや味わいが格段に変わり、よりワインを美味しく感じることができます。お値段が張るワインにはもちろん、リーズナブルなワインでもグラスによって味わいは変わってきます。食卓の演出だけでない、実力の持ち主。グラスは、侮れないアイテムなのです。

それでは、先程の1は、どのようなワインに適しているのでしょうか?特徴は、胴が膨らんで口がすぼまった大きなチューリップのような形で、ブルゴーニュ型と呼ばれています。ピノ・ノワール種に代表される、酸が強めで香り豊かな赤ワインに向いています。注ぐ量を少なめにすることがコツで、ボウル部分の下から1/3位が目安です。空気に触れる面積が増え、グラス内に溜まった香りを楽しむことが出来、また酸味を抑える効果もあります。
我が家でもこのブルゴーニュ型は頻繁に登場しますが、ワインを注ぐと、テーブルが一気に華やかになります。特に来客時など、とても喜んでもらえます。

2のような細長いグラスは、フルート型と呼ばれています。下から上へ泡が立つ様子が美しく見え、口が小さめで泡が抜けにくい為、シャンパンやスパークリングワインに最適です。このタイプのグラスにジュースやアイスティなどを注ぐと、スマートでおしゃれに見えるので、ノンアルコールの方がいらっしゃる時にも活躍してくれそうです。

3のグラスはどうでしょうか?少し小さめなので、グラス内の温度が上がりにくく、冷やして飲む白ワインに適しています。また、ロゼワイン、ボージョレ・ヌーボーなどのミディアム~軽めの赤にも使えます。万能型なので、グラスの種類をあまり増やしたくない場合は、こちらのタイプを揃えると便利です。

これら3つの他に、長期熟成タイプに向くボルドー型4などもあります。

 ワイングラス4

参考になりましたでしょうか?

そうはいっても、グラスは収納の場所を取るし、一度にたくさんの数を揃えるのはやはり勇気がいりますよね。私も最初は、1~2脚購入して試してから、気に入ったものを買い足していきました。個人的な好みは、「リーデル」社のグラスですが、各ショップには、様々なワイングラスが並んでいます。最近は食洗機に対応した、割れにくいタイプも出ていて人気のようです。
お好みに合うものを選んで、長く使えると良いですね!

松本 裕子

プロフィール
松本 裕子 / ソムリエ、食育インストラクター

国内大手航空会社にて国際線客室乗務員として約10年サービスにあたる。(社)ソムリエ協会認定ソムリエ資格取得。東京の田中伶子クッキングスクールで学び、全国料理学校協会教員資格、及びNPO食育インストラクター資格を取得。海外ステイやオフを利用し、各国のお料理教室(フィレンツェ、バンコク、ホーチミン)やお花、お菓子教室(パリ)に参加。2010年より札幌在住。双子の母。

イントロダクション
ワインは、相性の良い料理と組み合わせることによって、そのどちらも美味しくする相乗作用があるだけでなく、脚の長いグラスに注がれた佇まいが美しく、女性にとても似合うお酒です。小さなお子様をお持ちの方でも、気軽にワインを食卓に取り入れていただける様に「食材やワインは身近なお店で手に入るもの」とし、簡単に「おうちワイン」を楽しむ参考になればと思います。