第16回 和の空間

めっきり寒くなってきました。ゆっくり鍋でもつつきたくなる季節です。インテリアもちょっと和風が気になってきませんか?
数年前までは住宅に和室があるのは当たり前、椅子やベッドの生活が一般的になっても、和室はリビングルームの隣に’モノを置くスペース’のように組み込まれていました。スペースが限られた住宅に和室は本当に必要だろうか・・・

今、和室は和のテイストとして住宅のフォーカルポイントや家族団らんの食事スペース、玄関のしつらえなどと、その存在の幅を広げています。

上の写真は、同じ吊押入に縁の無い畳、天井照明はダウンライトと、似た作りですが白と黒ではこれほどまでも印象が違ってきます。あなたはどちらがお好みですか?
和テイストのインテリアは目線が下の方に来るように計画します。押入を吊って下に空間を作りそのままそこが床の間になり照明や和の飾りで楽しむ事ができます。
また窓を下の方につけ、床に近いところから明りを入れる地窓(じまど)を付けたりもします。窓に付けるカーテンをプリーツカーテンにしたり、木製のブラインドにすることで、横のラインを強調させることで和のテイストを作ることができます。


右の写真は赤と黒で壁面を斜めに区切り間接照明を下に向けて狭い空間をみごとに演出しています。


川岸 敦子

プロフィール
川岸 敦子 / 二級建築士

短大卒業後、コンビニエンスストア本部に入社。インテリアの仕事をめざして退社後、町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー小樽校に入学。インテリア関連の会社を経て1991年に独立。母校にて、コーディネーションの講師を務めながら、戸建住宅、マンション、ホテル等のインテリアデザインの仕事に従事し、1997年インテリアデザイン会社 有限会社ブランを設立。住宅、マンションのモデルルーム、医療関係のインテリア等に携わる2001年 二級建築士を取得。小学3年生の子どもを持つ母親でもある。

イントロダクション
昨年末、事務所の引越しをしました。11年間ため込んだ、物・物・物の数々を整理しながら、次の場所では自分の為に空間を作ろうと決めました。一番最初に考えたのは、仕事をする時の”ここち良さ”。機能性はもちろん、美しさを前提に。インテリアという自分の仕事を見詰め直す、いい機会でした。このコラムでは、皆さんと一緒に”ここち良さ”を考えて行きたいと思います。