第7回 照明の効果 Part.4

今回子供部屋という難しくて、またお母さんがとても興味を持っているお部屋についてお話しさせていただこうと思います。

子供部屋

皆さんは”プライベート空間(私的空間)”という事についてどんな風に考えているでしょうか?大人だけの事と考えていないでしょうか?外の世界はすべてがパブリック空間(公的空間)だとすると家庭は唯一プライベートが許される空間であることは子供にとっても同じです。どんなに小さくても、子供が自分だけの空間だと感じられ、家族も子供のプライベートな世界を尊重する事がとても大切です。他人のプライバシーを尊重できてこそ、うまく人間関係を築けたり、他人を思いやったりできるのではないでしょうか?
もし個室を与えられない場合でも子供が集中できる空間は作れるものです。部分照明は人の意識を集中させるというのはこのコラムでは何度も言ってきましたが、とくに机の上のデスクライトは学習用にまたは絵を書いたり、音楽を聞いたりと自分の世界を作り出すのには欠かせない照明となります。全体照明は蛍光灯がいいでしょう。活発に行動する小さな子供にとっては安全な照明が必要です。学齢が進むにつれてフロアスタンドなどで白熱灯の光を追加していくこともオススメです。

洗面所

皆さんはお化粧をどこでしますか?洗面所でするという方は非常に多いのに驚きます。そしてお化粧をするのには蛍光灯が向いていると思っている方のなんと多い事。
照明は明るさの度合いの他に光自体の色や照らされる物の見え方など、様々な特徴があります。ランプで照らされた物の色が屋外のようにどれだけ自然に見えるかは演色性といって白熱灯の光が最高の百Ra(アールエー)です。蛍光灯はランプによって幅があり、九十八~六十一Raです。自然な見え方は白熱・蛍光というよりも演色性の高いランプで決まります。顔に当てる照明がほしいというときは演色性の高い照明にしましよう。

川岸 敦子

プロフィール
川岸 敦子 / 二級建築士

短大卒業後、コンビニエンスストア本部に入社。インテリアの仕事をめざして退社後、町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー小樽校に入学。インテリア関連の会社を経て1991年に独立。母校にて、コーディネーションの講師を務めながら、戸建住宅、マンション、ホテル等のインテリアデザインの仕事に従事し、1997年インテリアデザイン会社 有限会社ブランを設立。住宅、マンションのモデルルーム、医療関係のインテリア等に携わる2001年 二級建築士を取得。小学3年生の子どもを持つ母親でもある。

イントロダクション
昨年末、事務所の引越しをしました。11年間ため込んだ、物・物・物の数々を整理しながら、次の場所では自分の為に空間を作ろうと決めました。一番最初に考えたのは、仕事をする時の”ここち良さ”。機能性はもちろん、美しさを前提に。インテリアという自分の仕事を見詰め直す、いい機会でした。このコラムでは、皆さんと一緒に”ここち良さ”を考えて行きたいと思います。