第6回 照明の効果 Part.3

引き続き照明の効果についてお話します。

玄関

昔から日本家屋の玄関は花を飾ったり、明り取りの地窓を付けたりと玄関の趣きを大切にしてきました。玄関を演出したい方は多いでしょう。
我が家に帰ってきたときにホッとする場所になるような演出ができるといいですよね。玄関で照明の効果を生かすのであれば、照明のランプは人をリラックスさせる白熱灯や蛍光灯でも電球色がいいでしょう。玄関の演出には絵を掛けたり置物を置いたりして自分らしさを出したいものです。
照明は人の目を集中させますので、壁の絵にはブラケット照明、置物にはダウンライトやスポットライトを選んで下さい。その時の光源はハロゲンランプをお勧めします。ハロゲンランプは店舗などで多く使われているランプで一個¥1500ほどしますが、うす暗くなりがちな玄関を華やかにしてくれます。
もう1つお勧めは下からの光です。思い切って床にスタンドを置いてみてはいかがでしょうか?思いがけなくいい雰囲気が出ます。近くにコンセントがない方はコードレスタイプの照明器具を利用するのがいいでしょう。玄関は住む人の人柄が表れるようなセンスの光る場所にしたいですね。

主寝室

ホテルの客室のようにあまり明るすぎない光が理想です。ホテルは天井からの照明はごくわずかでほとんどがスタンド照明や壁からのブラケット照明です。寝た時に照明の光源が目に直接入らない事が基本になります。カバー付きの器具や間接照明がいいでしょう。ダウンライトを使うときは、頭の上にならないようにして下さい。ベッドサイドにスイッチを付けたり、リモコン対応の器具を使えばベッドに入ったままの消灯ができて便利です。
全体照明を消しても明るさを保つことができるスタンドを置くことをお勧めします。相手に気兼ねなく本を読むことができたり、深夜起き出す時にも便利です。主寝室は6畳に蛍光灯70ワットの式はあてはまりません。主照明は極力ワット数を下げてスタンドで対応した方がいいでしょう。

次回は子供室・洗面所・トイレと続きます。お楽しみに!

川岸 敦子

プロフィール
川岸 敦子 / 二級建築士

短大卒業後、コンビニエンスストア本部に入社。インテリアの仕事をめざして退社後、町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー小樽校に入学。インテリア関連の会社を経て1991年に独立。母校にて、コーディネーションの講師を務めながら、戸建住宅、マンション、ホテル等のインテリアデザインの仕事に従事し、1997年インテリアデザイン会社 有限会社ブランを設立。住宅、マンションのモデルルーム、医療関係のインテリア等に携わる2001年 二級建築士を取得。小学3年生の子どもを持つ母親でもある。

イントロダクション
昨年末、事務所の引越しをしました。11年間ため込んだ、物・物・物の数々を整理しながら、次の場所では自分の為に空間を作ろうと決めました。一番最初に考えたのは、仕事をする時の”ここち良さ”。機能性はもちろん、美しさを前提に。インテリアという自分の仕事を見詰め直す、いい機会でした。このコラムでは、皆さんと一緒に”ここち良さ”を考えて行きたいと思います。