第2回 big table

ダイニングテーブルが欲しいと思ったとき「2人用」「4人用」と”人数”で考えるのではなく、思い切って”大きな”テーブルを置いてみましょう。

新たに家が欲しいと考えるとき「家族のコミュニケ―ションを持ちたい」「お友達や来客をもてなしたい」という希望は上位にランクインしています。
この希望は大きなテーブルでかなえることもできるんです。
例えば、ダイニングテーブルを囲んで、飲んだり食べたりできる方がおしゃべりも弾みますし、テーブルというスペースでピザ生地をこねたり、お菓子を作ったり、お友達みんなで楽しみながらできます。アイランドキッチンじゃなくても、アイランドキッチンかのような役割を果たすことも可能になります。

子供たちが帰ってきたらママのそばのダイニングテーブルでお勉強もし、学習机では狭くてできない工作にも一緒に取り組んでみたり・・・。
夜はちょっとした仕事もできるし、明日のお味噌汁のさやえんどうのヘタを取りながらテレビを見てくつろいでいる・・・・。ゆとりのある生活という感じがしますよね。
余裕のスペースというのは、心にも余裕を与えます。

おすすめのテーブルは

6人掛けの長さ180cm以上のテーブルだと理想的です。
人がたくさん集まる家には角のない形が特にお勧め。長さ180cmで9~10人は座れます。丸テーブルは意外とスペースを取るので、直径1メートルのテーブルで椅子に腰かけることを考えると4畳近く必要です。

「大きさ」「形」と共に大切な要素。それが「材質」です。カッコいいからといってガラスのテーブルでは毎日気を使ってしまいますよね。大理石も同じです。フォーマルな食事にはガラスや大理石は向いていますが、日常的に使うテーブルには「木」がいいでしょう。木の他には「メラミン」という素材がありますが、傷がつきにくく耐久性に優れた素材でお勧めです。

「食べる」「おしゃべりする」「作る」「趣味」「勉強」「仕事」「くつろぐ」日常の色々な行為に使われるダイニングテーブルですが、その分、その周りで使用される道具も多いはずです。ノリ、はさみ、筆記用具など細かい収納場所も同時に考えましょう。

私は以前、子育てを終えた夫婦お二人で暮らす住宅の改装をお手伝いしたことがあるのですが、ソファや飾り棚は今の生活に合わせて買い替えられていたものの、ダイニングテーブルは塗装も剥げ落ち傷だらけ。
「子供たちが残していったキズだから捨てられなくて・・・」と奥様は嬉しそうに話していたのが印象的で、ダイニングテーブルを囲んだ家族の姿が目に浮かぶようでした。
こんなストーリー性のあるテーブルって何だかステキだと思いませんか?

川岸 敦子

プロフィール
川岸 敦子 / 二級建築士

短大卒業後、コンビニエンスストア本部に入社。インテリアの仕事をめざして退社後、町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー小樽校に入学。インテリア関連の会社を経て1991年に独立。母校にて、コーディネーションの講師を務めながら、戸建住宅、マンション、ホテル等のインテリアデザインの仕事に従事し、1997年インテリアデザイン会社 有限会社ブランを設立。住宅、マンションのモデルルーム、医療関係のインテリア等に携わる2001年 二級建築士を取得。小学3年生の子どもを持つ母親でもある。

イントロダクション
昨年末、事務所の引越しをしました。11年間ため込んだ、物・物・物の数々を整理しながら、次の場所では自分の為に空間を作ろうと決めました。一番最初に考えたのは、仕事をする時の”ここち良さ”。機能性はもちろん、美しさを前提に。インテリアという自分の仕事を見詰め直す、いい機会でした。このコラムでは、皆さんと一緒に”ここち良さ”を考えて行きたいと思います。