第5回 知らないと損をする!? 2011年度(前半)版ローンの選び方!

家を建てる際に決めるローンの種類は、「変動金利」「3年固定」「10年固定」と「フラット35」が主と言われています。そんな複数あるローンの特長と、知っておきたいポイントをおさえて、借りる時に困らないように準備しておきましょう。

第5回 知らないと損をする!? 2011年度(前半)版ローンの選び方!

今年度に住宅の購入を考えていらっしゃる方は、ローン金利の動向について目を見張られてるのではないでしょうか。今年は数年前ではありえない「物価の上昇」というキーワードがささやかれるようになってきました。実際ガソリン、コーヒー、小麦、野菜などの値上げ、世界でも異常気象による不作などで輸出しないなど、物価の上がる要素がぷんぷんしてますよね。私個人的にはこの流れに連動して住宅ローンの金利上昇も見え隠れしてきてるので、ローンに関してはなるべく早い段階での情報収集、比較検討されることをオススメします。

ローンの種類:変動金利

◆ポイント◆
仕組みについては色々なサイトで書いてるので詳細は省きます。ポイントだけ。現在は1%を切るような変動金利も都銀を中心にラインナップがゴロゴロあります。変動金利を選択するとすると「金利が上がったときに固定にすれば良いのでは?」と聞きますが、気をつけて欲しいのが、変動金利の金利が上昇してきてやばいと思ったときには固定金利はさらに上をいってる可能性が高いという点はおさえておいてください。
例えば1%の変動金利が3%に上昇したときは長期固定は軽く5~6%くらいに上昇していることが予想され、恐らく代える気にならないかと。回避策としては繰上返済でそもそもの元金を返して元本が減れば減った元金に金利がのるのでダメージが緩和されるかと。
ですので、できれば変動金利を選択される方は繰上返済とセットと考えといた方が良いかもです。

ローンの種類:3年固定

◆ポイント◆
北海6道ではかなりの確率で勧められる商品かと。ポイントは3年固定が終わる4年目に、いくら支払うことになるのかを確認してから、自分のライフスタイルに合っているのかどうかを考えること(4年目に相応する子どもの年齢から見た教育費など)私自身、3年固定を選んだ方から、よくこんな相談を受けます。
「住宅を購入するとき、住宅メーカーに言われるがまま、ローンを選んだけれど、3年が終わってみて、連絡のハガキが来て、ローンを借り換えるべきか悩んでいます」と。以前、コラムにも書いたのでこちらをご参照頂けると嬉しいです。

ローンの種類:10年固定

◆ポイント◆
仕組みは3年固定が10年に延びただけです。ただ、こちらは今年は各地銀、信金さんが力を入れてきてる感があります。一昔前は2.6%あたりが主流だったのですが、今年は1.9%など2%を切る商品がかなりあります。5月時点ですが、ある信金さんが1.55%のタイプが最安ではないでしょうか。
ポイントとしては、今年はローン減税が長期優良住宅の場合まだたっぷり取れるので所得税をそこそこ払われてる方は10年間税金が戻してもらえるので、低金利であれば、金利分を税金で返してくれているようなものなので、ほとんど無利子で借りてるに近く、その間に繰上したつもりで貯金や運用で増やしといて11年目に繰り上げるもよし、そのときが低金利であれば借り替えるでもよし、お子さんが小さくて今後の費用が心配だったり、小さくてかわいいうちにいろいろ遊びに連れて行ってあげたいなど最初の10年考える猶予が出来るので良いという方にはお勧めです。

ローンの種類:フラット35

◆ポイント◆
フラット35は団信が別売り。毎月別途の保険料がかかることを考えて判断しましょう。2011年いっぱいは、政府からの援助で1%引いてくれて、長期優良住宅に該当する物件であれば、もう10年は0.3%ひいてくれる。そう考えると、出だし1.7%くらいだし、結構低いのではという印象も受けますが、一番気を付けなければならないのは、住宅ローンに通常ついてくる団信が別売りだということ。35年ローンで3000万借入だとすると、住宅ローンの他に年間に10万近く払わなければならないので、月に割ると約9000円くらいで、金利に換算すると、当初10年くらいは0.6~0.7%プラス分くらいになり、感覚としては最初の10年は2.3%で払っているのと同じくらいになってしまいます。
※35歳くらいまでの方であれば、民間の保険や会社の共済などが強烈に安い場合はそれを団信代わりに利用してフラットのメリットをより光らせる手もあります。

<その他のレアな商品>
期間限定でお得なローンが出てくることもあります。今(5月)ですと北海道銀行さんのNEOは団信つきで長期固定タイプとしてはかなり気合入ってる感じがします。保証料と手数料も考慮して長期で固定したい方は要チェックです。(詳細は各銀行HPでご覧ください。)

まとめ

もっともお気をつけ頂きたいのが、金利の低さだけで選んでしまうのは危険です。変動が良いのか、何年固定が良いのか、長期固定が良いのか、また、保証料や手数料というのもあるので、全部でいくら払うのか、ということを踏まえて、ご自身やご家族のご年齢など自分のライフステージを考慮し、スタイルに合った支払を考えていくとどれを選ぶかが見えてくるかと思います。

壽原 博信

プロフィール
壽原博信 / ファイナンシャルプランナー

FP技能士2級(国家資格)、トータル・ライフコンサルタント(生命保険協会認定FP)、損害保険販売資格者、住宅ローンアドバイザーの資格取得。株式会社ソニックで、マネープラン、ライフプラン作成、住宅ローンアドバイスとサポート、学資金や引退後資産形成とサポート、生損保ほぼ全社の保険の比較販売のかかりつけ対応をしている。豊富な知識と物腰の柔らかさは幅広い年代から多くの支持受けている。

イントロダクション
妻と妻のお母さんと子ども二人(男の子)のパパ。39歳。ファイナンシャルプランナーとして、保険、住宅ローン、各金融商品、税務、社会保障、法律、不動産等の幅広い知識を訓練。”生活の経済的な安定のお手伝い”をモットーに活動を続けている。