第16回 シャルドネ②~コクありタイプ~

シャルドネは、世界の様々な地域で栽培されており、それぞれの風土によってバラエティに飛んだワインに仕上がります。コラム第13回では、さっぱりした料理とよく合う、酸味の強いすっきりタイプのシャルドネを取り上げましたが、今回は、秋口から冬にかけてお勧めの、少し濃厚でリッチなタイプをご紹介したいと思います。

<ワイン>
DANTE CHARDONNAY(ダンテ シャルドネ)
原産国:アメリカ カリフォルニア地方
価格:1500円前後

アメリカ・カリフォルニアのシャルドネです。この銘柄に限らず、カリフォルニアのシャルドネは発酵にオーク樽を使用するものが多く、バターやはちみつ、南国フルーツ、バニラ、そしてほんのり樽の香りが感じられます。濃い果実味は、西海岸の太陽をたっぷり浴びて育った証です。グラスに注ぐと、黄金色が美しく、リッチで少し甘めの香りがふわっと漂います。

フランス・ブルゴーニュの超高級銘柄である、ムルソーやモンラッシェ、コルトン・シャルルマーニュ等はとても重厚感のある白ワインですが、カリフォルニアのシャルドネは、それらの特徴に近いものがあります。

お料理は是非、グラタンやドリア、クリームパスタ等、バターやクリームを使ったものを合わせてみてください。お子様はお料理を、大人は料理とワインとのハーモニーを、お楽しみいただけると思います。

お料理<ホタテのグラタン>
北海道は、殻付の新鮮なホタテ貝がいつでも手に入るので、嬉しい限りです。

<材料>4~5人分

  • 殻付きホタテ貝 4~5枚
  • たまねぎ 100g
  • マッシュルーム 40g
  • バター 大さじ1(貝の皿に塗る分)
  • パン粉、パプリカパウダー、粉チーズ 少々
  • パセリ(お好みで)

ホワイトソース

  • バター 大さじ2
  • 小麦粉 大さじ4
  • 牛乳 300g

<作り方>

  1. 殻付ホタテから貝柱とヒモを取り出し、貝柱は十字に切り込みを入れ、ヒモは食べやすい大きさに切っておく。
  2. たまねぎをみじん切り、マッシュルーは薄切りにして共にバターで炒め、皿に取っておく。
  3. ホワイトソースを作る。バターを鍋に溶かして、小麦粉を半分ずつ加えて、色がつかないように炒め、少しずつ牛乳を加えていく。混ぜながら煮立てて塩小さじ1/2、こしょうで味付けし、2を加える。
  4. 貝のお皿にバターを塗り、1を載せ、3のソースをかける。お好みで、小さなダイス状に切ったバターを上に載せ(分量外)、パン粉、パプリカ、粉チーズをふり、焦げ目が付くまでオーブンで10分程度焼く。

個人的には、今回のようなコクのあるシャルドネが大好きで、我が家の食卓にも度々登場します。リッチな味わいなのに、お手頃値段で手に入ります!ご紹介したワインはアメリカ・カリフォルニアのものですが、チリのシャルドネもカリフォルニアの特徴に似たものが多く、お勧めです。ところで、ワインは温度で味わいが変化する飲み物です。こうした濃厚タイプは、白ワインでもあまり冷やしすぎず、風味を引き出すようにしてみてください。

松本 裕子

プロフィール
松本 裕子 / ソムリエ、食育インストラクター

国内大手航空会社にて国際線客室乗務員として約10年サービスにあたる。(社)ソムリエ協会認定ソムリエ資格取得。東京の田中伶子クッキングスクールで学び、全国料理学校協会教員資格、及びNPO食育インストラクター資格を取得。海外ステイやオフを利用し、各国のお料理教室(フィレンツェ、バンコク、ホーチミン)やお花、お菓子教室(パリ)に参加。2010年より札幌在住。双子の母。

イントロダクション
ワインは、相性の良い料理と組み合わせることによって、そのどちらも美味しくする相乗作用があるだけでなく、脚の長いグラスに注がれた佇まいが美しく、女性にとても似合うお酒です。小さなお子様をお持ちの方でも、気軽にワインを食卓に取り入れていただける様に「食材やワインは身近なお店で手に入るもの」とし、簡単に「おうちワイン」を楽しむ参考になればと思います。