第1回 モノトーンの「軽さ」と「重さ」

<黒の「重さ」>

「白は膨張色」「黒は収縮色」として知られています。「細く見せたいから」と服で黒を選ぶ女性も多いようです。
ですが、残念ながら、黒を着ていれば細く見えるかというと、一概にそうとも言えない部分があります。
何故ならば、黒は「重い」からです。
ある程度のボリュームのある物、面積の広いものに関しては「軽さ」「重さ」という要素はとても大事になってきます。

<白い段ボール>

一昔前は、段ボールといえばクラフト紙の茶色が主でしたが、最近は白い段ボールが出回っています。
それは、運ぶ人の感じる重さが、白いものを「軽い」と錯覚するからです。
どうせ同じ運ぶなら、軽く感じられる方がよいですよね。
同じ面積なら、黒よりもグレー、グレーよりも白が軽く感じられます。「明るさ」=「軽さ」です。
大型家電などに白いものが多いのはその為です。

<目立たないグレー>

ところで、なぜ、舗装道路がグレーかというと、「目立たない」からです。
広い面積でも圧迫感を感じない色。それがグレーです。
もしも、舗装道路が真っ黒だったら。もしも、真っ青だったら。
と、イメージしてみると、グレーの「目立たなさ」がよくわかるのではないでしょうか?

今回はモノトーンのお話しでしたが、モノトーン以外でも、「明るさ」=「軽さ」なことは同じです。くすんだ中間色の方が存在感は薄くなります。
お部屋全体を見渡して家具のバランスを考える時に、赤や青といった色の種類だけでなく、明るさを比べて、重さや軽さ、圧迫感なども要素として考えると、よりバランスのよいチョイスが出来ると思います。是非参考にして見て下さい!

アズマ レイコ

プロフィール
アズマ レイコ / カラーコーディネーター

2003年に函館でカラーサロンをオープン。パーソナルカラー・パーソナルスタイル診断の他、色彩心理のセミナー、講座を開講。結婚後の転勤で、2007年から札幌での活動を始める。『HappyColorLife』主催。AFT1級カラーコーディネーター。2児の母。

イントロダクション
色彩の知識を、楽しく!わかりやすく!使える形で!お伝えすることをモットーにカラーコーディネーターとして活動しています。色彩は生活に密着した、生活を彩る要素です。このコラムでは、生活に役立つ色彩のマメ知識をお届けできればと思っています。楽しく賢く色彩のパワーを利用してみましょう!