第24回 自動で・・・を考える

少し理屈っぽい話になりますが、家を考えるという事は、生活イコール暮らし方を考えることになり、結果的に知らず知らずのうちに自分を見つめることになっていきます。
住宅はどんどん進化して、あったらいいなと思うものはほとんどある状態です。家づくりは誘惑が多く、何をはぶいて何を選択するか、そこに住む人の考え方が表われて来るのではないでしょうか?

電気配線の打合せで「子供部屋にテレビの配線をしますか?」とお客さまにお聞きしますと、そこで考えるわけです、自分は子供に部屋でテレビを見せてもいいと思っているのかいないのか・・・。

最近お客様との打合せで2回ほど同じ話題が出ました。トイレの自動洗浄のことです。
今、自動的に水を流す機能は大型スーパーのトイレだけではなく、家庭用のトイレにも標準的に付いています。もちろん自動洗浄をしたくなければ止めることもできますが。
流れてほしくない時に流れちゃって自動洗浄って必要でしょうか?子供が必要な時にトイレの水を流さなくなってしまいそう。手洗いの自動洗浄も同じことがいえますね。

照明の人感センサーについては以前にもコラムで取り上げたことがあります。
玄関前の照明を全て人感センサーにしてしまったら、「人が来ないなら照明は付けません」というメッセージを感じてしまいます。自分の住む場所の環境を考えるなら、暗い夜道を歩いて帰る塾帰りの子供の為にも少しだけでも明りを付けておきたいものです。
〈人感センサー〉とは僅かな熱を感じて反応するセンサーですが、〈明暗センサー〉というモノもあり、こちらは暗くなったら照明が点灯するという機能です。〈明暗センサー〉には時間を設定すれば自動的に消灯させる機能が付いているモノもありますので、タイマーの感覚で使用できますよ。

川岸 敦子

プロフィール
川岸 敦子 / 二級建築士

短大卒業後、コンビニエンスストア本部に入社。インテリアの仕事をめざして退社後、町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー小樽校に入学。インテリア関連の会社を経て1991年に独立。母校にて、コーディネーションの講師を務めながら、戸建住宅、マンション、ホテル等のインテリアデザインの仕事に従事し、1997年インテリアデザイン会社 有限会社ブランを設立。住宅、マンションのモデルルーム、医療関係のインテリア等に携わる2001年 二級建築士を取得。小学3年生の子どもを持つ母親でもある。

イントロダクション
昨年末、事務所の引越しをしました。11年間ため込んだ、物・物・物の数々を整理しながら、次の場所では自分の為に空間を作ろうと決めました。一番最初に考えたのは、仕事をする時の”ここち良さ”。機能性はもちろん、美しさを前提に。インテリアという自分の仕事を見詰め直す、いい機会でした。このコラムでは、皆さんと一緒に”ここち良さ”を考えて行きたいと思います。